さて、TABI巡業の日々は関西編を終え、東へ、愛車オムスビートがリズムを刻んでいます。
いまは、東の都へ上る前に、巡業の中休みと、伊豆にて、温泉、波乗り療養中!
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晩夏の巡業の一番はじめのイベントは、兵庫篠山 colissimoでした。アンサリーさんのLIVEに合わせて、ご飯を作らせてもらうという、とても光栄な、そしてぼくたち自身が(とくにお手伝いの女子たちの胸のときめかせようといったら!)とても楽しみにしていたイベントです。
colissimoのことは、近所に住むDNF大地くんや、周りの人からよく聞いていたけど、なかなかご縁がなかったのですが、ビックネームが並ぶイベントの告知などを見るたびに、「こんな田舎でどうしてそんなことができるのだろう?」と不思議に、そして、興味を持っていたものです。
オーナーの前中さんは、わざわざ四万十の我が家まで、突然の「今から行ってよいかな?」という朝のメールとともに、その日の午後には四万十に到着し、打ち合わせに来てくれました。「うちに来ていただく前に、どんな暮らしをしているのかを、感じてみたかった」と前中さんはおっしゃってくれました。なんだかそのお気持ちに、とても嬉しく思ったのです。こちらのことをより深く理解しようとしてくれているのだなと。
そんな、前中さん、奥様の明美さんのホスピタリティのおかげで、とても充実した豊かな日々となりました。ぼくが、「こんな田舎にどうして?」とおもっていた疑問の答えは、お二人の人柄にあったようです。ぼくたちの滞在中にも、多くのアーティストたちが、ただふらりと立ち寄り、語らい、奏でていく夜を過ごしたのです(ああ、なんて贅沢な時間だったこと。LIVE打ち上げでは、前中家のリビングのアップライトピアノの伴奏に、アンさんとみんなで一緒に「おかあさんの唄」を合唱した一幕も・涙)。また、古いものを大事に残していこう、と新たな命が吹き込まれた旧郵便局跡のCafeスペースColissimo、旧米蔵跡のLIVEスペースrizm、この2つの空間に織り込まれた時間の雄大さも、多くの人を惹付けているのでしょう。
イベント2日目は、ぼくもrizmで生音のLIVEをさせてもらいました。天井高い土壁の空間は、驚くほどに音がよく響き、よく廻り、楽器の音の向こうで、空間の鳴りが木霊していました。
イベント最中は、あまりの充実ぶりに、写真を撮ることを忘れてしまい、今となって後悔、、、。colissimo FB にて、イベントレポートを書いていただいています。◎
前中ご夫妻、素晴らしい時間と、出会いを、ありがとうございました。
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翌週は、京都恵文社での、mmbooksさんと合同で「ささたくや サラダの本」の出版記念出張食堂でした。会場は恵文社の本屋の奥に新しく出来た、キッチン付きのスペースCOTTAGEです。
「京都といったら恵文社!」と過去に何度も足を運んだことがあるのですが、COTTAGEが出来てからは、行く機会がなかったようです。
行ったこともない場所でお料理をするのは、なかなかに緊張と不安があるもので、HP上の写真を何度も覗いては、「どうかなー、どうかなー」と思案していまいた。それと同時に、「憧れていた恵文社でイベントをやらせてもらえるなんて」という胸の高鳴りも。
TABI食堂のお料理の準備は、なかなかに時間と、道具の多さに圧倒されてしまうのですが、恵文社のスタッフ鎌田さん(20代半ばの男子)が、朝早くから夜遅くまで、快く、また一緒に心より楽しんで対応してくれました。若い彼の喜んでいる姿に、ぼくたちも嬉しくなり、ついつい、「一緒に賄いも食べようよ」と誘い、同じ釜の飯を頂きながら、苦楽を共にしたのでした。そうして、彼は我々に胃袋を掴まれ、ますますTABI食堂色へと染まっていくのでした・笑 その様子を本人はこのように綴ってくれています◎。まあ、冗談はさておき、受け入れてくれるスタッフの方が一番楽しんで、喜んでもらえるイベントだったら、ぼくたちもこころから「ああ、よいイベントだったな」と思えるのです。
ご飯屋さんは、「サラダの本」の出版のおかげか大盛況でした(mmbooksさんと、恵文社さんの二台巨頭に宣伝していただいたのですものね)。そのため、多くのお客様に長い時間お待たせしてしまったのは、本当に申し訳ない気持ちです。(その反省をいかして、9月末の東京でのTABI食堂◎は予約制とさせていただきました。いつものカジュアルなオープンな食堂スタイルも捨て難かったのですが、この形式ですとオーダーをこなすのに手一杯となってしまい、様々に手の込んだお料理の内容をお客さんにお伝えしきれずに終わってしまう無念さも、今回感じましたので。また、この春に訪れた食堂くしま◎でのディナー・コースがうっとりとするような、素敵な時間だったので、TABI食堂でもそのようなスタイルでやってみたいな、ということで今までのスタイルの楽しさを我慢して、新たなスタイルへのワクワクする気持ちを選んでみました。前進前進!ということで、食堂くしまのスタイルをおおいに参考にさせてもらいました、くしま君、ありがとう! みなさま、食堂くしま、おすすめですよー!今は、海の向こう西海岸のあの有名店に研修にいっているのだって、帰ってきたら、その旅のフレーバーがどんな風にお皿に表現されるのだろうか!)
そう、今回のイベントで個人的に、料理を食べて「美味しい」と言ってもらうのと並んで、嬉しかったことは、みなさんの本の感想を直に耳にしたり、感じたりすることが出来たことです。本が出てからは、四万十の山の中に引っ込んでいたから、この反応を直に感じられる機会は、今回が初めてでした。本が出たばっかりの頃は、旅立った我が子のような気持ちで、「どこかで人様の役に立ちながら元気にやっていてくれたら」というおもいでしたが、こうして京都・恵文社で出会った人々の反応をみると(ああ、だから本屋さんでTABI食堂だったんだ!、と改めてこのイベントのありがたみを実感しています)、なんか、こころの奥にじわりと、確かな手応えのようなものが、ザバーン、ザバーンと押し寄せてくるのです。そう、確かな手応えです。多大な時間をかけ、大勢の人々の手によって生み出され、そしてそれから一時の時間が経たあとに感じられる、確かな手応えです。
それは「料理をしない料理教師室」でも存分に感じることが出来ました。正直なところ、ぼくとしては、お楽しみの仕掛けをすべて本で公開してしまっているので(本をお読みでない方は何のことかわからないかもしれませんが)、料理教室当日にみなさんを驚かす楽しみが減ってしまっているのも事実で、ちょっと残念な気持ちもチラリ。今回、本が出版後初めての「料理をしない料理教師室」では、参加者が発する言葉が、明らかに今までと違うのです。「おい、おい、それは先生のとっておきの表現なのにー!」と舌打ちしてしまうような味の表現が、飛び交っていました。これは、見方を変えれば、本という媒体を通して伝えたかったことが、確実にみなさんの意識下に浸透しているのを感じられた瞬間でした、ザバーン、ザバーン。ああ、本の力、魅力ってすごいね!(ポ・ヤ・ヤ・ヤーンと、空に大きな入道雲のように編集長・服部みれい氏のにんまり笑顔の様子が浮かんでいます。)
最終日トーク・ショウはみれいさんに福太郎社長も駆けつけてくれて、なんだか家族が授業参観に来てくれたような、くすぐったくも、安心といった気持ち。3時間もあったトーク・ショーは福太郎社長の絶妙な間の手で、あっという間に過ぎてしまいました。ああ、お話ししようと思っていたこと、まだまだ沢山あったのに!サラダ本の出版記念トークというよりは、旅のお話ばかり多くなってしまいましたが。けど、やっぱりあの旅の時間で感じ、学んで来たことが、ぼくの今のベースになっているのです。思わず、当時の熱い思い(それは、悔しさだったり、不安だったり、はたまた喜びだったり、大きなものに包まれた安堵感だったり)がこみ上げてきて、言葉に詰まってしまう瞬間も(言葉を飲み込み、顔を上げ、大きく深呼吸、すると、そこにも、熱く目を潤ます、男一人。「さすが、元ラクビー部だ、熱い男だぜ、福太郎!」と、彼の熱く、厚い胸板に背中を押され、トークを進めることができました)。今ぼくは(といいながら、もう何年も同じことを言っていますが)この時の旅のことを本に書きたいと強く思っています。こうして今となってもこみ上げてくる強い思いが、そこにあるのです。
再び、イベント最中は、あまりの充実ぶりに、写真を撮ることを忘れてしまい、今となって後悔、、、。
・mm books & socks 店長山田さんのイベントレポートはこちら◎。
・また、みれいさんがFB「サラダの本の会」にもレポートしてくれています◎。
・そして、トークショーで触れた,テニスプレイヤー・ジョコビッチ選手の本についても、早速読破した(さすが、早い!)みれいさんが感想を書いててくれています◎。 こちらの本は、去年読んだグリーンスムージーの本◎に続く、衝撃です。ジョコビッチ選手の本は、一時前に発売され、とても売れた本なので、この本の存在は知っていたのですが、本屋さんなどで見かけては、「よくある有名人本」みたいな感じで横目でしか見ていなかったのです。しかし、数人から「サラダの本」の感想をこの本を引き合いに出して伝えたくれた人がいて、それでぼくも興味をもって、手に取ってみたわけです(こうして、一つの行動(アウトプット)から、また次の反応が起こっていって、広がって行くのを常々実感しています)。
mmbooksのみなさま、いつも温かく応援してくださり本当に感謝しております。
会場に足を運んでくれたみなさま、恵文社のスタッフの方々、多くの実りある時間を、ありがとうございます。
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TABI巡業
9/15~20『 TABIチョコ堂@えみおわす展 』in Tokyo
9/22~28『 Raw Foodの夕べ と 料理をしない料理教室』in Tokyo
1 comment
もえみ says:
9月 25, 2016
こんにちは。
先日兵庫の料理教室に参加した者です。
せっかく良い経験をさせていただいたので、あの後もいろんな食材・野菜に、自分なりに想像を働かせながら挑戦しています。そしてルッコラ食べました! 皆さんがおっしゃっていたように、胡麻のような香りがして、ほんのり甘味もあって、美味しかったです!
まだまだ自分の知らない世界が沢山あるので、どんどん挑戦していきたいと思います。
新しい世界を知るきっかけになる時間をくださり、どうもありがとうございました。
また機会あらば参加させていただきます!