・ メダカ ・

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 梅雨が本格的に始まる前だったかな。近所の道の駅で、お花の苗を吟味していると、後ろで、おばちゃんとおじちゃんの雑談が響いていて、横目で伺うと、おばちゃんは、道の駅の掃除係の格好をして、口を動かしながら、しっかり手も動かして、パッパッと店先を掃除していた。話の内容はあまり聞かないようにしていたけど、そのおばちゃんの、お節介で、人柄の良さそうで、それでいて当たり障りのない受け答えに、なんともな好意を、背中越しに感じていた。

意識を目の前に戻して、うーん、とお花を吟味していると、おばちゃんが後ろからやってきて、「メダカもいいわよー」とお花の苗の横のメダカコーナーを指差している。「癒されるわよー」と、もう一言。すっかり、おばちゃんの存在に癒されていたぼくは、おばちゃんの魔法にかかって、その瞬間まで全く興味を持っていなかった、メダカにすっかり惹きつけられてしまった。「あ、あ、癒されたい・・・」

隣の水に浸かっている鉢も気になったので、「隣の、水草と書いてある、鉢に入っているお花はなんですか?」と聞くと、「あ、これ、水槽の水を綺麗にしてくれる水草よ。いま、ちょうど白いお花が咲いているはね。これ、鉢ごと、どっぷり、水槽につけちゃっていいから」と、教えてくれた。『メダカ=癒し』で、気持ちがぐらつき始めていたところを、『目的:花を買う=花がついた水草』の条件が追い打ちをかけ、すっかりと、こころは掬われてしまった。おばちゃんの満面の笑みに背中を押され、両手にメダカと水草を持って、一人では決して踏み出さなかったであろうその一歩を、レジへ向かって踏み出した。

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 メダカが我が家にきたおかげで、、水槽用意して、さらなる水草探して、購入して、バッチリ!ガラス越しに泳ぐメダカの姿は、涼むなー。癒されるー。(写真には、上手にメダカが写っていないけど・・・)

(実際に、何か、動くものを見るのは精神的によい作用があるのだと思う。水の中の動きとあれば、浮遊感も伴って、その効果は、さらに大きくなる。これは、気持ちのよい景色の中をドライブしていくときにも同じ感覚が起こる。それは、対象が動かずとも、自分が動くことよって、対象が動いて、過ぎ去っていくことでも、その効果が起こるということだ。)

それから、しばらくして、近所の友人が「道の駅で見けた、ハスだよ」と言って、ハスの苗を分けててくれたので、ハス用にもう一つ、水盆をこさえることにした。そしたら、ここにも、ボウフラよけにメダカが必要だ、とメダカをもう一団体探しに、街へ出る。いまや、メダカを飼うことに、躊躇はない。大きな水盆だから、布袋葵や他の水生植物もも入れられるなと、これらも一緒に購入。

さあ、できた。上から見る、メダカの泳ぐ姿も、癒されるね〜。ハスの楽しみも増えたと、梅雨時のハスの開花を楽しみにしていたのだが、一向に咲かない。どうやら、道の駅のハスの苗は、ハス芋のことで、梅雨すぎて夏の盛りに再び出荷されるときには、リュウキュウとかズイキという名前に変身するハスらしい・・・。あぁ、ハスも色々あるのね。わたしが、無知でした・・・。けれども、蓮の花の楽しみを、たいそうに抱いてしまったもので、諦めきれず(だって、水盆はバッチリ用意してあるものね)、ホームセンターに行って、白いハスの苗を購入し、ハス・蓮・チェンジ。

 

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 今朝は布袋葵の、花が咲いてた。

 おばちゃんの一言に、

つながり、つながり、広がって、

嬉しな朝である。