夏の巡業より、四万十の自宅に帰ってきて一週間が経ちました。
さて、日記の再開です。
しばし、家を空けてしまうと、草刈りに、旅の片付け、旅疲れの休息と、整えていつものリズムに戻すのにやはり一週間かかってしまいますね〜。
そして、この夏は以上に暑い🥵・・・。
夏バテしないように、ほどほどに・・・。
◯
2/12
台湾縦断歩行
Day 9
リンさん家族にあまえて、もう一日ステイ。
今日はさらにのんびりと、実家のお正月気分を味わう。
朝は、リンさんの親戚家族に車で近所の大きな森に散歩に連れて行ってもらった。森を歩くのは気持ちがよかった。毎日、毎日、朝から晩まで歩いているけれど、なんだかんだ車道のアスファルトの上を歩くことがほとんどなので、木々の中、土の上を歩くことがとても気持ちよかった。歩くことの体感として、こんなにも違うのかとびっくりした。森林浴セラピーとは、この感覚なのですね。一緒に連れて行ってくれたみんなそれぞれに、思い思いに森の中を歩いて午前中の健やかな時間を過ごした。
大学生の女子が、手術したばかりの母を労りながらずっと付き添って歩いている姿が、とても印象的だった。リンさん家族とお正月の家族の大切な時間を過ごさせてもらっているおかげで、台湾の家族の絆の強さを垣間見させてもらっている。「家族とはいいもんだな」との思いが、ぼくのこころにも強く響いている。
帰り道には、古い紙の傘の工房見学に連れて行ってくれた。そしたら、ここが数日前に「どんなところかなー」と思っていた、美濃だった。
昨日に引き続き、今日の午後にも、近所の中学校の校庭にて、家族みんなでバスケをした。昨晩のうちに帰ってしまった家族も多かったので、昨日よりもメンバーがだいぶ少なく、すこし寂しく感じた。
バスケをたくさんして、お腹すかして家に帰ってきたら、セリーンのお母さんが晩ご飯を作って待ってくれていた。それこそ部活帰りの中学生のように、遠慮なくお腹いっぱい食べさせてもらった。はあ、実家はいいねぇ。
◯
2/13
台湾縦断歩行
Day 10
さあ、お正月休みも、おしまい。
リンさん家族も祖父母の家から台東まで戻るというし、ぼくも歩きに戻る。
朝起きて、お世話になっていた畑の小屋の掃除も終わったちょうどのタイミングで、リンさんが車で迎えにきてくれた。親切に、ぼくの朝ごはんまで買って来てくれている。ぼくの好みを考慮してくれて選んできてくれたであろう、スプラウツに生野菜がたっぷり入った台湾風サンドイッチを、リビングで頬張る。
出発の準備が整い、車でおとといまで歩いていた甲仙という小さな町まで送ってもらう。甲仙という小さな街はタロ芋の産地のようで、タロ芋で町おこしをしていて、お正月ということで観光客もたくさんいて随分と賑わっていた。
ぼくとリンさんも、お別れ前にタロ芋のアイスクリーム🍨を一緒に食べた。中年男性二人でアイスクリームを食べた、こんなちょっとしたクスッとしたことが、ずっと大切な記憶として殘るのだと思う。そんな一瞬の大切な瞬間をより味わうために、日々、歩いて旅しているのかな、、、。歩いた先にそんな瞬間、大切な人々に、出会えるから。セリーンの実家での時間も大切な大切な思い出となった。
名残惜しくもリンさんとお別れだ。きっと、今回の台湾滞在中にはもう会えるチャンスがないので、また、いつかどこかでだ。また、ぜひ会って一緒に時間を過ごしたい。
リンさんの車が走り去って行くのを見送ってから、いざ出発🚶♂️。
こんな別れの時は、いつだって残される方は寂しい。
ただ去って行くだけの方が、よほど気が楽だと思う。
ぼくも旅の途中でよかった。
場所に残った残り香に想いを寄せることなく、次に向かって歩いて行けるもの。
***
街を出た後は、道は、山の深い谷の中へと続いて行く。
道中、台湾の桜🌸(なのかな?)が、晴れた蒼い空に、見事に咲いていた。
春の陽気が、山々に宿り始めている。
2日間の休息のおかげか、いつもよりもくもくとよく歩いた。
薄暗くなってきた頃から、今晩の寝床を心配し始める。
川原への小道を見つけ、茂み掻き分け、川原へ降りる。
川原はごろごろと大きな石ばかりで、なかなかに良いテント設営場所が見つからずに手こずったが、もう真っ暗になっていたので、もうこれ以上探すのはやめて、程々の場所に落ち着いて、荷物をおろしてテントを張った。
テントと言ってもタープだけなので地面に直接マットを引いて寢るのだが、面白いのが、よい寢床になる地面を見つけられずにタープを張っても、タープに囲われてそこが区切られた空間となると、『住めば都』のごとく、そこに自分が適応して行くのか、その地面と仲良くなれる感じが不思議である。
背中越しに川原の大地の暖かさを感じながら、目を瞑る。