おおつかたく庵、やっとやっとで完成!です。

2月 雪降る季節に始まったこの現場。かじかむ手。背中に張ったホッカイロ。立てかけた段ボールのドア。たった一つの小さな電気ストーブ。ごはんのお替わり断り知らずの大塚昼食事情。地べたに置かれた商店街の和菓子屋さんのかりんとう、作業初日のおやつ。初めてイスに座って机に置いて食べたまかないご飯。2週間のリサーチの末、外食産業への別れ、美味しいまかないごはんの日々。お手伝いの人が持ってきてくれる差し入れも、これまた手作り美味。おかわり、おかわり!笑い声は絶えることなく。現場から目と鼻の先の桜並木の脇にある中学校、受験目下3年生、並ぶこわばった顔とずっしりとしたサクラ並木。

3月 2階3階の全部で9部屋ある居住部分、いまではまっさらな珪藻土の壁、無垢の杉板のフローリングに囲まれて。充実する現場仮設食堂、味も上り調子。現場泊まり込み組の住環境ものぼり調子、空間の出来上がって行くさまを体でありありと感じ、喜び、ありがたみを噛み締めて。和らぐ寒さ、広がる日だまり。隣の駐車場の野良猫2匹、広がるお昼寝スポット。あちらの中学校から運ばれてくる笑い声に和らいだ表情を感じて。頭上のサクラの大木達も何やらむくむくと。むくむく、うきうき、むずむず。ピンクの卒業式。ぼくたちのピンクに囲まれたシェアハウス内覧会の夢はかなく。

4月 のびゆくサクラの新芽。のびゆく工期。新緑の下、初々しい新入生の不安と希望の笑い声。不安と希望はコチラの現場にもありありと。気がつけば4月も半ば。1年も3分の1が過ぎたとの声。半袖、にじむ汗。のびる日の光。その日のうちに電気が消えること、数少なし。正比例の疲労とテンションのグラフ。完成を迎えずの幾度の修復作業に、サクラダファミリアを想う。満ちていく空間、手応え、喜び。少なくなった、まかいのテーブルに並ぶお茶碗の数は少なく、3つ。体を地面と水平にすることを忘れた最後の日々。気がつくと、暗闇、地面は体とぴったり水平の位置に。玄関入り口につけた自動蝶番のドアのように、まぶたは空きっぱなしをゆるさない。既に高くのぼった太陽。肌に感じる日の温もり、汗にじむ。道に落ちるサクラの葉陰。葉陰の清々しさに、夏の暑さを既に連想させられる。まぶたを意識的にけっこうな努力と共にあけて、あけっぱなしにして、充実の時間の末の充実の空間を見渡す。やった。

今週末、Opening Eventをします。みなさまぜひおこしください。

おおつかフライヤー-1