来る、12/17(土)、12/18(日)に、我が実家が今年の夏からシェアハウスとなった”ねりまたく庵”にて、伊豆の山奥に住んで自給自足をしているニュージーランド人のお友達・Dion(ディオン)と一緒にワークショップを開催するお知らせです。

どんな、ワークショップなのか、、、。
一言で言えるうまい言葉が見つからないので、このワークショップを行うことになったいきさつを踏まえてお話ししますね。
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早いもので、もう12月。
今年もあと1ヶ月。
ニュージーランドから帰ってきて、早1年。
ニュージーランドで見てきたような、自給自足やパーマカルチャーの暮らしを始めるための大地を思い描いて帰ってきたのが1年前。今年は震災を始め本当にいろいろなことがありました。とにかく、ここでがんばろうと、東京の庭で食の自給をはじめ、母と一緒にシェアハウスを始めました。当初に思い描いていた大自然のある田舎とはことなるけど、ここ都会の東京のなかでも理想としている形に地道に進み、共感できる人々とのつながりの輪も広がってきています。

このつながりについて思うところがあります。それは、とてもとても多くの人が同じ未来像を描き、願って、つながっていっているということ。言い換えると、多くの人が今の世の中に共通の不安を抱いている、と言えるかもしれません。地震があって、原発の事故があって、この不安感はより多くの人々の認識できるレベルでの共通意識になったと思います。

さて、この不安感はどこからきているのでしょう?
いま、現状にある問題が解決したら、その気持ちは晴れるのでしょうか?
その解決策とは?
自然農の創始者と言われる福岡正信は、

「人間は問題があると、それに対処しようと新たなことをし、その結果、更なる問題を作る。自然はそれ自体で完璧なのだ。人間が手をつけずにただ放っておけば、自然は自分で再生していくのだよ。つまりは、人間が手を加えて自然じゃないことをするから問題が起きるのじゃないかな?それだったら、『何をしたらいいか』ではなくて、『何をするのをやめたらいいか』と考たほうが良いのじゃないか?」
と言っていました。(『わら一本の革命/福岡正信・著』を読んだときの記憶のなかにある言葉をつなぎ合わしたものなので、本の原文とはだいぶ違うかもしれません、、、。)ぼくはこの思想に地球上の生命体の一つとして生きるための多くのヒントが隠されているのでは、と思っています。
いまの社会にはどこか、「20年後の未来?、今は何とも言えないけどさ、それまでにさらなる科学の進歩でどうにかしてくれるよ。」という根拠のない科学の信頼のもとに「どうにかなるさ」という空気を吐き出しながら今を生きている風潮があるのではないでしょうか?しかし、「このままではまずいかも。」と気づき始めたのも事実。
では、どこがまずくて、その原因はどこにあって、どうすればまずくなくなるのだろう?

その答えを真剣に模索している人にぼくは出会いました。

Dionに会ったのは今年の夏。
ニュージーランドにいたときにパーマカルチャー繋がりの知人たちから、彼の名前を耳にしていました。伊豆で自給自足をしているとのことでした。彼に会いたくて、彼がどんな暮らしをしているのか見たくて、伊豆まで足を運んだのです。
メールで教えてもらった住所をたよりに、谷間の小さな小さな村にたどり着きました。しばらく谷をあがっていき、なんとか見つけることのできた山道の入り口に車を止め、山を登っていきます。途中で、本当にこの道で合っているのかなと心配になってしまうほど歩いた頃に、山が開け、畑を見つけました。その畑のむこうに小さな小屋が立っています。そして、やっとDionを見つけました。
この、小川が流れる山の中腹の開けた土地で、自然農を営み、里山の恵みに生かされた暮らしをしていました。Dionのとても質素で満ち足りた暮らしぶりは、僕の想い描いている理想に限りなく近いものでした。
彼はこの土地で、現代社会にたいする不安、矛盾に対する自分なりの生き方の答えを模索し、実践しています。とても生き生きと!!そんな、彼の言葉はとてもやさしくて、力強いものでした。
彼の人柄と暮らしに感銘したぼくは、ニュージーランド、オーストラリアでパーマカルチャーを教えていたDionに、「ぜひ東京に来てワークショップをしてほしい。」と頼みました。彼もそのことにとても興味があると言ってくれました。ぼくは、安易に「パーマカルチャーの知識を生かして、都会の生活でも自然に触れて暮らせるきっかけになったらいいのな。」と思って話を持ち出したのです。しかし、Dionはこういいました。「知識や、技術だけでは自己の欲求を満たすためのもので終わってしまうことが多い。(彼の今まで教えてきた経験がそうだったのです。)それで、人々の日常が変わるものじゃない。変わるためには意識が変わらないと。どこに問題があるのかを見据えて、どこを目指すのかはっきりしていれば、自ずとすべてが変わってくるよ。」と。ぼくはこの人は、本気なんだな思いました。本気で世界を変えようとしているなと。
そして、その数ヶ月後、ぼくはまたDionと話すために伊豆の里山を訪れ
ました。

話は環境、テクノロジー、経済、コミュニティー、教育、食、健康、エネルギーと多岐にわたりました。Dionの津々と湧き出る言葉たちに耳を傾けていると、もくもくと曇っていた空が晴れ渡っていくような気分になったのです。3・11以降強くなっている、何とも言えない、何ともできない不安感への糸口を見つけたような気分でした。

Dionの尊敬するところは、言葉や理論だけでなく実践しているということです。一緒に畑に行き、山を歩き、彼のやっていること、やろうとしていること、様々なヴィジョンを共有してくれましたました。ぼくの中で「どうしたらいいのだろう???」と途方もなくグルグルと回っていた思いに対して、彼は一歩深く問題の原因を追求し、一歩踏み込んで実践をしていたのです。

『ロケットストーブで料理するDion』

今回のワークショップでは、ぼくがDionと話し合い、考えを共有し合った作業を、グループで行いたいと思っています。ここまで読んでも、まだ話し合う内容が具体的でなく、漠然としているかもしれません。Dionの表現を借りると、「一つの具体的な事象をにフォーカスを当てずに、様々な事象を結び合わせたときに初めて見ることのできる全体像がある」ということです。(小さい頃に遊んだ、点を1→2→3→・・・・と結んでいくと絵が出てくるお絵描きのイメージです。)まさにDionとの会話は、砂に埋まって見えていなかった全体像をつかむ作業のようでした。

日時:12.17 Sat. 10:00~17:00 // 12.18 Sun 10:00~17:00 (両    日同じ内容です。どちらかにご希望ください。)

場所:東京都練馬区・ねりまたく庵 (現地への行き方は、参加確定者へ後日   メールします。)
ご飯:一人一品持ち寄りでみんなでランチしましょう。(ベジタリアンメ     ニュー大歓迎!)
参加費:寄付


参加希望の方は、

・名前
・参加希望日
・簡単な自己紹介
・簡単な参加希望動機

を添えて下記までメールしてください。

tabi0419アットマークgmail.com

よろしくお願いします。
ささたくや