料理家のどいちなつさんは淡路島に住んでいます。

ハーブをはじめとするさまざまな植物を自らの手で育て、その植物たちの恩恵を、日々の暮らしの中でより享受していきたいとの願いで、「心に風」という活動をなさっています。

先日、その島暮らしを、訪ねて来ました。「冬の畑は少し寂しな様子だけど」と語る彼女でしたが、きっと何年もかけてようやくここまで育ったであろうティーツリーの柔らかな枝が、冬の陽光に照らされながらそよいでいました。ホワイトセージも、きっと多年草なのでしょう、冬の寒さに身を縮こませながらもしっかり耐えて群生をなしていました。他の場所場所にも、様々なハーブたちの群生を目にしました。その様子から、決して短くはない月日の中で、その地にしっかりと根を生やし、ここまで育ってきたことを、見せてくれていました。いつかの、ちなつさんの夢が、この大地に確かに根付き、ようやく地上の目に見える階層にも、今までの成果が現れるようになってきた様に(勝手ながらに)感じました。前回、初めてその地を訪れた時も、冬の終わり・春のはじめでしたので植物たちは静かな様子でしたが、夏のその姿は、それはきっと素晴らしいものなのだろうと、ちなつさんの表情から推測するのでした。また、季節が巡った頃に訪れるのが楽しみです。

「心に風」の畑の景観は、ある意味で、新鮮な、驚きです。こうした、名前ばかりよく知っているけど、なかなかに、実際に大地に育っている姿を見たことがない諸外国のハーブや香木たちが、いわゆる日本の里山の原風景の中、段々畑の大きな区画の中に、たくましく育っているのです。その姿は、目新しく感じるとともに、何か懐かしさと、希望のようなものが潜んでいるように感じました。希望とは、植物たちの持っている力の中に秘められた、その向こうに広がる世界のことでしょうか。この感覚は、喜び、と言ってもよいかもしれません。

植物の成長に然り、「心に風」の活動もまた次のステージに来たのでしょう。見放された納屋を、それは見事に改装して、キッチンスタジオをオープンさせました。そして、そこで年間を通しての料理教室を今年から開催されます。参加者側からしてみれば、一年間というコミットメントを必要とされるのはなかなかに、敷居が高くなってしまうであろうに、なのに、どうして、一年間というタイムスパンでの料理教室の必要があるのか!? さらには、なかなかにアクセスしずらい里山で!? その想いは、ぜひ、ちなつさんが告知文に綴った言葉から、読んでください。

誠に光栄なことに、ぼくもこの料理教室にゲスト講師として参加させてもらえることになりました(ゲスト講師としての、ぼくの紹介文も丁寧に綴ってくれています)。ぼくの担当季節は、秋の頃でしょうか。

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告知文・募集要項は以下にて、ご覧ください。

「心に風」

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なのですが、ありがたいことに、料理教室はすでに満席になってしまったようです。しかし、これから始まる料理教室を数度重ねて、様子を見てから、場合によっては、追加の年間クラスの曜日を設けるかも!?しれないそうです。もし、ご興味のある方は事前にお知らせいただければ、先行して募集のDMをお送りすることができるようです(こちらの詳細も、「心に風」のページにて)。

自分自身も、講師として参加させていただくにあたって、以下に興味を持っています。

・年間を通して教室を開くことの意味、そして実際の学びの効果。

・「土がある」暮らしの場を開いて、遠方からの人々を呼び込んで、学びの場を作っていく可能性。

自分自身にとっても、素晴らしい学びの機会を与えて頂いたと感じています。

皆様にお会いできる日を、楽しみにしています。