昨日は、涼しげな曇り空の午後だったので、手に鎌を持って草刈りをした。一ヶ月も放っておいた畑には、背が高くなった雑草たち。その隙間に、チョロチョロ、ヒョロヒョロと、野菜たち。通路は先週草刈機でザーッと刈ってあるもので、さあ、今日は畝を手鎌で丁寧に選別しての草刈り。草刈りしながら、レタスの葉っぱを摘んだり、ブルーベリーの実を頬張ったり。畑の畝の草刈りは、ある程度そこにある植物たちの予想がついているものだから、そんなに驚きはなく、野菜たちがそこにいてくれている姿に、なんとも感謝の念に溢れるのだが、畑の隅っこのイチジクとお茶の木の茂みの辺りは、半野生のような状態で、しゃがんで高くなった草たちを刈っていたいたら、草がひらけたその先に、初お目見えのピンクのお花が咲いていて、予期せぬ出会いに今日一番の笑顔となった。見てみると、その周りには、これからどんどん咲きそうな小さな蕾たちがたくさんいて、ここはピンクのお花畑になりそうな。「どこから来たのだろうね?」と呟けば、そよ風吹いてきて、新しい香りとも出会う。草刈りやらなきゃとの重かった気持ちも、草花のおかげで、なんとも豊かな午後の時間となった。

 17時の鐘が鳴り、もう少し草刈り続けたい気持ちもあったけど、前の畑のおばあちゃんが自転車に乗って、サッと家に帰っていく様子を見て、時間通りに終わってみようか、そうしたら、夜の時間も長く使えるしと思い、潔く道具をしまって、汗かいた服を脱いで干して、短パンに着替えて、シュノーケルを持って、川泳ぎに行く。川原に降りると、地元の川漁師さんがうなぎのおとりを水につけていて、挨拶しようかと思ったけど、随分と真剣そうだったので、話しかけたら顔馴染みなだけに「そこ、おとりを浸けるから、入るんじゃない」とかいわれたらめんど臭いなとの予感もよぎり、もう颯爽と泳いでしまおうとシュノーケルとフィンをつけて川に入る。川の水はまだ冷たく、数日前まで降り続いた雨の影響で水量も随分とあって、流れが強く、濁ってもいたもので、スイスイ泳いで楽しむということはできなかったが満足した。漁師さんはあちらで3個目のお取りをつけている。ああ、夕暮れの川泳ぎからの帰り道。畑作業をして、川泳ぎをしてと、この一連の行為に随分と満足した。去年の夏は、随分と川で泳いで楽しんだものな、と夏の感覚が戻って来る。うん、この喜びだ。朝一番に畑仕事をして、川で泳いで、執筆をして、絵を描いて、どこに行くともなく暮らしの景色の中にせっせと日々を営んだ、そんな夏だったな。今年の夏も楽しみたい。