朝から予報通りの雨が降っていて、少し肌寒くもある。布団に包まるのに心地よい肌寒さであったようで、むにゃ、むにゃ、いつもより朝寝坊した。

 雨降り前にと、昨日の午後からは、せっせと畑仕事に精を出し、苗の定植をした。畑のあちらこちらに、野苺の紅い玉を見つけ、頬張った。もう少し待てば、まっ赤っかになって、より甘いだろうけど、蟻ん子、虫さんたちとの競争に気が焦り頬張った。少し酸っぱかった。それでも、畑仕事のご褒美には変わりなかった。仕事をしながらご褒美をもらえるのは、同時進行でよいな、何かやってからのご褒美ではなくて、今が全てで、それが、全てだな。

 苗の定植をしながらも、近頃の草の勢いに、雑草雑然としてきた畑の様子に、畑全体を整えたくなる。ソワソワした気持ちに、思いつくままに、定植中の畝を離れて鎌を振る。と、いった衝動の自分の行動を自覚し、「いやいや、今日の午後に優先してやらねばならぬ、仕事があるでしょう」と、本題に戻る。明日には雨が降るのだ、それどころか、もうすでに雲行きが怪しくなってきている、そして、遠くでは17時の鐘がすでに鳴っている。

 定植も終わって、17時の鐘もなり終わって立ち止まり、一考してみたところ、「もう少しこのまま仕事を続けよう」と決断す。なかなかに、畑仕事の勢いついていて、このままいってしまおうか。明日の雨降りの締め切りが尻叩く。さて、次は、里芋の種芋の定植だ。十日前のこと、この作業のために、里芋埋める穴掘るために、シャベルを右足ひと蹴りしたところでぎっくり腰となった、続きだよ。

 恐る恐る、張り切らず、シャベル蹴らず、腕の力でいけるところまで穴掘って、手早くずらりと里芋植え込んだ。作業の質やこだわりなんかより、作業のタイミング、季節のタイミング、雨のタイミングが、より大事かな。そんな諦めできるようにになった自分に、成長を感じます。

 日暮れ前に、やり切った。気持ちもスッキリ、なんだか体調もスッキリ。畑に立つと、いっとき植物の意識に擦り寄り地面に這いつくばって作業すれば、なんだか日々の人間的垢落ちる。畑でぎっくり腰をしてから、体全体のバランスが狂っていたのだが、畑に戻って、ようやく整った。あとは、畑の野菜をクックして、食べましょう。