さて、旅の準備です。

といっても、今回は事前に何も調べませんでした。台湾に着く初夜の宿も決めずに、飛行機に乗ったぐらいです。インターネットでいろいろ調べると、情報の沼にハマってしまっい旅立ち前の貴重な時間とエネルギーを使ってしまうので(まあ、ぼくが調べ物が得意でないのです)、もう今回は、潔く何も調べずに行こうと思いました。若かりし頃の旅を思い返せば、いつも現地にて自分の足で探して確かな宿を見つけていたではないか。次の目的地も旅人同士の生きた情報をもとに、その日の朝に決めていたではないか。そんなノリの旅を今一度するのもいいなと思いました。この旅への潔さたる態度、これもULでしょうか?

そうそう、こうした何も決めない旅のスタイルも荷物が軽いことで、より身軽にできることを今回の旅で実感しました。荷物が軽いって、身軽なんです。身軽な荷物って、身軽に行動できるんですね。そんな当たり前のことですけど、今回の旅でそのことを初めて実感したような気持ちです(いままでの旅の荷物より圧倒的に軽さの5kg程度でしたからね。ちなみにお遍路のときは16〜18kg背負ってました。)。

身軽さとは、こんな感じですかね。荷物の重さが億劫ではないからに、電車やバスから降りたら、そのまま街散策が始まります。以前までの大きなバックパックでの旅でしたら、一度、駅のロッカーに荷物を預けてとか、一度ホテルにチェックインしてとか、「よいしょ」とのギャップがありました。同じくに、出発時も、預け荷物のピックアップがあったりとかね。つまりは、移動ごとに起きる節目が、よりシームレスに行動できる身軽さがなんとも心地よかったことよ。そのことで、旅の可能性も広がりました。そのことを思うと、、歩くことが目的の旅でも、山や自然の中のルートにアクセスしてから歩くことが始まるのではなく、一筆書きにもう空港や駅から散策が始められるというのは、同じ場所なのに、新しい旅のMapを手に入れた気分になります。

荷物の話は、また後でするとして、今回の旅立ち前に、どうにも不安や心配な気持ちに駆られている自分がいることに驚きました。この感情は自分にとって、とても興味深いものでありました。久方ぶりの旅に、いままで培ってきた旅の感覚が鈍っているようです。そして、台湾に行くのは今回が初めてだから、それは未知の場所への不安もあります。未知の場所だからこそ、事前に泊まる場所を確約するなどすれば、安心の気持ちが生まれたかもですが、まあ、ぼくの性分でそのようなことをしなかったのですね。「何も決めない方が、結果、旅が面白くなる」という、いままでの旅の経験もあります。そして、「いくら岸から心配に思っていても、川に飛び込んで仕舞えばあとは泳ぐだけ」との例えがまさにで、「現地に降り立ったのなら、よい流れに乗るだろうよ」とのお気楽な気持ちもありました。あ、これもいままでの旅の経験から、なんとなく「大丈夫」と思えているのですね。そうか、経験があるということは、行動選択の仕方によっては、旅のアイテムもなりうるということです。そしたら、物質的な旅のアイテムを減らしたとしても、なんとなく「大丈夫」と経験が補ってくれて旅の荷物を減らす手段にも繋がりますね。とにも、「そうそう、こんな感じだった」と、旅センサーがどうやら働きはじめたようです。

そうですね、この旅立ち前の緊張感というのも、これも見方によってはなかなか良いものです。日常にピリリと刺激を与えてくれますから。この緊張感によって、日常からすでに旅路の入り口に足を踏み入れて行くような感覚になりましたから。

さあ、次は、荷造りです。