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台湾縦断歩行

Day 6

ついにやってきました、今日は、台湾では中国暦の大晦日。

地元のひとたちは家族で集まる大切な日のようです。
お店もまったくに閉まるというし、旅人の僕はどうなるのか?

アクと朝のお寺のお参りをして、お別れ。
家族の用事があるだろうに、大晦日の朝までお接待をしてくれてありがとう。

さあ、出発。

バスに乗って昨日歩く予定だったポイントに行く。
朝ごはんに、大好物の台湾のおにぎり屋台🍙を見つけて、喜びいさむ。市場は、大晦日の買い出しで、晴れやかな忙しさに映る。おにぎり屋さんのお兄さんもぼくの注文を握りきったところで売り切れとなり、店じまいを始めている。みんな、早速に朝の用事を済ませて、家に帰ってお正月の準備をするのだろう。

街を抜けて歩いたところで、河原があったので、腰掛けて一人おにぎりを食べる。旅人のぼくは、今日も歩きの一人きりの大晦日だよ。アクに教えてもらった滝まで歩き、そこでしんみりと一人一夜を越そうではないか(なんだか、高校生の頃の彼女がいないサッカー部の野郎ども同士のクリスマスイブの夜を思い出すな〜)。

歩いていると、『美濃』と馴染み深い地名の標識を目にする。さっそくに日本の美濃在住の服部みれいさんにメッセージしたら、みれいさんは早速に台湾の『美濃』について調べたみたいで、「日本と台湾の美濃が姉妹都市になっているみたいよ」と連絡をくれた。台湾の美濃はどんなところなのでしょう?と思いながら、美濃の標識を脇目にまっすぐ北に歩いていく。

これからの道のりは、地図を見るにこれからどんどんと山岳エリアに入っていくようだ。

日が暮れてきて、阿克に教えてもらった滝までは、Google Mapを見るにあと1時間ちょいぐらいだ。最後一踏ん張り歩こうと思っていたら、道端でおじいちゃんに話しかけられた。「おい、歩いて旅しているのか!?』みたいな感じのことを中国語で話かけられてので、「うーん、わかりません。日本人です」と答えると、おじいちゃんは、「日本人!」となんと日本語で応答してくれて、「お茶していきないさい」と、軒先に招いてくれた。

大晦日の大事な晩なのに、ひょっこりお邪魔してもいいのかな?、滝まで空いていくのに真っ暗になってしまうな、などと思いながらも、やはり地元の人との出会いは嬉しく、お言葉に甘えてお茶をいただくことにした。おじいちゃんは、その後もずっと日本語でいろいろとお話をしてくれたり、この間奥さんと一緒に日本旅行にいった写真をいろいろと見せてくれた。そんな死しているうちに、次々と他の家族が集まってきた。「あなたも一緒にご飯を食べていきなさい」と家の中まで招いてもらう。

このおじいちゃんは6人男兄弟で、仕事でこれない一人を除いて、兄弟全員が家族を連れての大集合の夜だった。六人兄弟は、みんな日本語を片言ぐらいに話せて、一番上の75歳?のお兄さんとは流暢に会話もできた。

大晦日の寂しい夜になることを承知でいたのに、なんと大家族の食卓に混ぜてもらって、ご馳走をいただいて、日本語で語り尽くす夜となった。

さらには、そのまま泊めてももらって、大晦日はどうなることやらと、随分と心配していたのと真逆のあたたかな家族に囲まれた大晦日、新年となりました。