東京2週間、神戸1週間の出張より四万十に帰って来ました。

四万十はやはりよく、こうして帰って来てほっとする自分の場所が持てたことは本当に幸せである。

それは、生まれ育った東京の街も同じで、久方ぶりの家族との時間は、これまたとても心休まる時間でした。

しばしの遠出で心配だった畑は、見事な雑草に覆われ、雑草効果か、東京や神戸からも瞑想しながら念を送っていたおかげか、はたまた山にえさが充分にあるのか、鹿の立ち入った様子もなく、出発前にまいていた直播きの種達は雑草の下、健やかに芽を出していました。

もう暗くなってからの、久方ぶりの帰宅でしたので、翌朝の朝日に畑を見たときには、その雑草の様子にニンマリとしたのです。というのも、神戸滞在中に片道2時間半ほど電車に揺られて足を伸ばし、奈良の川口由一さんの畑の見学会に行って自然農を30年以上営む畑を見せてもらった際に、「まだまだ自分の畑は草を抜きすぎている」と実感したのです。また、逆の言い方をしますと、「こんだけ草を生やしていてもよいのか」と自信になった訳です。そうして、帰った家の畑が見事な雑草園になっていて、しかもそこに作物の野菜達もしかと命を宿している姿に川口さんの畑のその姿と重なり、確かなものを感じたのでした。

川口さんの草ボーボーの自然農の畑は、うっとうしいというのでは全くなかったのです。それとは真逆の心地よいという言葉がふさわしかったです。自然のままの森の姿の多種多様な植物達の共生が心地の良い場所を創り出しているのと同じですね。

やはり、百聞は一見に如かず。長年、営まれて来たその畑に立ち、その人に触れ、心のうちに光りを注がれた思いです。農のことで「心に光りを」とはおおげさな表現に聞こえてしまいそうですが、「農=自然」と捉えたとしたならば、それはそこに神が宿っているのではないでしょうか。そうして、より一層、農への想いは強くなり、畑の先の宇宙を学びたいという欲求にかられます。

そうしますと、やはり、今のような出張しょっちゅうの働き方は、どうにもこうにも畑が片手間になってしまうので、働き方を考えなければいけませんね。これからの課題であり、次なるステップです。

とは言いましても、生来の旅好きの私ですので、新しい場所、新しい出会いには、いつだってわくわくする物があり、学ぶこと多々です。一言に旅といっても、その在り方は自分の中で大分変わってきまして、世界を放浪する旅はしばしご無沙汰になってしまいましたが、今の日々もこれまた旅であると思っています。日々の行く先はいつだって自分の選択次第なのですから。

そうそう、「大分変わってきた」との表現を使いましたが、自分の立場というものがまさにそれであり、東京滞在中にはmurmur magazineの服部みれい氏のイベントでゲストとして120人もの前でお話をさせてもらったのです。まさか、自分がそんな立場になろうともなりたいとも思っていなかったので、冷静に考えるとハッとしてしまいますが、熱心に耳を傾けてくれる皆様の姿に、逆に自分の価値を見つける機会となり、とてもありがたく思ったのです。murmur magazineのスタッフのみなさまに企画していただいて、他に料理教室や、旅のお話会もしまして、どれもとても充実した時間を持てました。こうして自分の経験、知識、知恵をシェアできるのは大きな喜びであり、これまた、自分の真っ当の価値を発揮しているようでもあり、内包された物を充分に発散・放出できたような清々しさがあります。地球全体に内包されている大いなる知恵が、我々一人一人に分け与えられ、個人の経験、能力、技術、知恵としてそれぞれのうちに所蔵されていると考えるならば、それを必要とする他の者に、自信の情報を公開するのはごく当たり前のことの様に思える。それが、「価値」という言葉の意味でしょうか。

東京滞在中には、しこたまの労力と気持ちを込めて自分たちの手で作り上げた「おおつかたく庵」にて、大家さんの母の計らいで、TABI食堂を催させてもらい、これもまた特別な時間でした。やはり、想いとはその場所に残るものであり、上手に表現できませんが、この場所でTABI食堂を開き、ここで人を招くことの出来る喜びをしかと感じていたのです。

お手伝いをしてくれた、るりこちゃん、ゆみこちゃん、あさこちゃん、ありがとうございました。

(東京滞在中の写真、全力で事を成していたてめ撮る余裕なく、全くありません。しかし、今回の出張で「blogの写真素敵ですね♡」と沢山の方に声をかけてもらったので、今後は張り切って撮りたいと思います。「blogも読んでいます」と言ってくれる人も沢山いて、そう言ってもらえるとやっぱり嬉しいものですね。るんるん。)

 

飛行機にびゅーんと乗って神戸へ。

これまた、出会いとは素晴らしいもので、つくも窯の茅葺き屋根吹き替えの完成パーティーにて、憧れのピアニスト高木正勝さんとライブセッションをさせてもらい、「これまた夢一つ叶う」と感無量の思いでした。

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神戸滞在中は、おなじみ、niu farm こうへいユッケ宅にお世話になり、皆で日々瞑想を重ね、音楽をし、楽しい時間でした。こうへいユッケはあまりのTABI食堂のお手伝いの末、若年Raw夫婦となり、それはそれは見事に働いてくれました。完成パーティー数日後のつくも窯でのTABI食堂では、広島からなおちゃん、それにつくも窯あすかちゃんも加わって、てんやわんやの楽しいTABI食堂でした。つくも窯のお皿を思う存分に使わせてもらってのお料理で、茅葺きの古民家の空気と相まって、それはそれは、見事でしたよ。

あすかちゃんをはじめ、十場家のみなさま、贅沢な空間と時間をありがとうございました。

お手伝いをしてくれた、若年Raw夫婦こうへいゆっけ、なおちゃん、ありがとうございました。

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写真はなおちゃんより。

毎日の自宅音楽練習に弾みをつけた我々は、GW終盤の三宮の夜に繰り出して、高架下でバスキング(ストリートライブ)。あ、あ、この感覚懐かしいです、海の向こうの旅先では、バスキングが生きる糧でしたので。

三宮の夜の詳細なレポートは、革命移動式八百屋 yamsai.netにて。

 

ああ、たのしいGWでした。

 

出張日記、おしまい。