ついに、ついに、

「ささたくや サラダの本」の出版のご報告です。

 

5月28日から全国の取扱店に並びます。

mmbooksのサイトでは一足早く、本日5月20日より先行発売が開始されました。

また、全国各地でのTABIの催しでも販売致します。

 

サラダ

 

 ここで少し、本の制作の裏話。

 レシピの撮影は、昨年の9月、11月に2度に分けて美濃で行われました。そして、四万十に帰り、11月末から自宅に籠ってのレシピの再調整&執筆となったわけです。締め切りは年内。本の制作はいろいろな人が関わっているお仕事だから、締め切りに遅れてみんなに迷惑をかけないようにと、頑張って、レシピを作り直し、原稿を書いたわけです。そして、ほぼほぼ、予定通りの期日と内容で、ことをすませたわけですね。そしたら、そこからが、長かった。。。いったん全部が揃った時点で、「ここを削ろうか、ここを膨らまそうか」という作業がでてきて、とくに書き足す文章が沢山でてきて、うーん、うーんと、脳味噌から文章を絞り出すけど、でてこない、この野郎、どうしたらいいんだよー!とおもいながら、編集者とメールをしながら、現実逃避で、youtubeを見出したり。そんな弱くなった気持ちを、村上春樹のエッセイとAC ミラン本田圭介の言葉で奮い立たせ、なんとか、じりじりと、一歩一歩進めてきました。この状況のなかで、明らかにわかったことは、「やらなければ、おわらない」ということ。当たり前のことですが、やらなかったら、おわらないのです。「できない、できない」といってやらないから、おわらないのですね。ちょっとづつでもやっていかないと。。。これは、まさに筋トレのような感覚で、少しづつでも毎日励んでいると、だんだんと筋肉がついてきて、以前は無理だろうと思っていた体勢からでも、少し力技でもいいからグイッと前に動かす力がついてきたのです。そして、少しでも動き出し、そこに動力が生まれれば、あとはそんなに力まなくも、スィーっとできてしまうのですね。ふむ、ふむ、筋肉もいろいろとあるのだな、と。「文書を書くのも筋肉だ」と耳にしたことがありましたが、「ああ、そういうことか」と実感したのです。そして、さらに面白いことには、この筋肉が、コンスタントな、ある程度の負荷を快感と思っているようなのです。「ああ、もっとぼくに負荷をかけてくれー」と。今までは、机の前に腰を下ろすのも、かなり自分を鼓舞して我が身を引きずっていくような思いだったのに、もう目が覚めて気づいたら、机のまえにすわってPCのキーボードを叩いているではありませんか。そして、筋肉はこの作業の負荷を「よっしゃー、きたー」と楽しんでいるではありませんか。そんな感じで、執筆最後のひと時は、新たな領域に足を踏み入れていくようなワクワクした気持ちでできました。校了となり、試合終了となっても、いままでのペースになれてしまった筋肉達は物足りず、ブンブンとバットを振り回しているような状態です。クールダウンさせるのも一仕事。。。

 さてさて、その成果あって、本書はレシピ本といっても、食にまつわるエッセイのような文章がたくさんの本になっています。それにももちろん理由があって、ぼくとしては、レシピという「答え」にいたるまでのプロセスに興味があるし、そこを共有したいし、そこに気づきや学びが潜んでいるとおもうのですよね・・・・、というのような内容も沢山、本書に書いてあります。あとは、ぼくの旅と食歴のお話。どうやって今の食のスタイルにたどり着いたのかと言う、半生を語っています。また、いぜんから行っているワークショップ「料理をしない料理教室」の内容も。これは、ぼくが料理をするときにどんなことをを頭のなかで考えているかを、文章とイラストに起こしたものです。

お料理奥に潜む、「光り」を感じてもらえる本になったらよいなと、願っています。

 

サラダ2

 

そして、解説には、高木正勝さん(音楽家/映像作家)、服部みれいさん(文筆家/編集者)に寄稿していただきました。

高木さんは、ぼくが憧れ、尊敬している同年代(というか、おなじ1979年生まれ!)の男性アーティストです。高木さんは、山間部の小さな集落にて自然に寄り添った暮らしを営み、その暮らしから音を紡ぐ人であり、そんな彼の暮らしからの言葉によって、この本がより深みのあるものとなりました。

みれいさんとは、もうかれこれ、原宿でTABI食堂をやっていた頃からの7年来のおつきあいです。この7年、お互いにじつに多くの変化がありました。ぼく自身は、東京から高知へ移住し、みれいさんは編集者ごと岐阜へ移住しました。いまにいたるまでのお互いの変化を、近くで見てきたからこその、ありがたい言葉を頂きました。

編集者の服部みれいさん、アマミヤアンナさん、写真家の尾嶝太さん、スタイリストの鈴木えりこさん、そして、デザイナーの佐々木暁さんと、各分野の第一線で活躍している方々が本当に親身になって携わっていただき、このような素晴らしい本となりました。そして、そして、何よりも、服部福太郎さんをはじめとするエムエムブックスのみなさまの深い愛情と、情熱のおかげで、こうして形となった訳です。みなさまにとても感謝しております。

今は、本の完成に感無量の思いとともに、これからこの本がみなさまの手に渡り、どんな反応があるのかな、という興味でいっぱいです。

 

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ページに綴られ、広がった、この世界

サラダの旅へようこそ

そして、その先の光りへ

 

ささ たくや