世界を旅をしてきて、こころがどうしようもないぐらいに、ときめいた瞬間を思い返してみる。
それは、世界のどんな場所であろうとも、その土地の、人々の暮らしに出会った瞬間だった。
大地に根を張り生きる姿に、畏敬の念と、安堵の気持ちを抱いた。
手の温もりが残る、質素な暮らしの佇まいに、こころ惹かれた。
人々の生きることへの信念が具現化された、暮らしの清貧さに、美しさを見た。
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魂が震えた
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優れた芸術には、触れたもののこころに、何かを歓喜させる力があるという。
そして、圧倒的な芸術には、創造の力を、人々のこころに呼び覚ますという。
ぼくは、人々の暮らしの中に、圧倒的な美しさを見たのだ。
そして、我が気持ちは、自身の暮らしへの創造へと、はち切れんばかりになっていた。
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広く開けた海に出るのは、気持ちがいい!!
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ブレットが遠くに、鳥の群れが空中に旋回しているのを見つけて、『あ、もしかしたら、あそこにイルカがいるかも。イルカと、あの鳥たちは、いつも一緒に魚を追っかけて、獲物を捕っているんだよ。』と、教えてくれました。
そちらへ向かって、ヨットを走らせて行きます。
その横を、ぷかぷかとペンギンが横切っていきます。
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『あ、クジラだ!』
『イルカもいるよ!』
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イルカたちは、ぼくたちのヨットに気づくと、こちらまで泳いできて挨拶をしてくれました。
ぼくたちは、ヨットを少し離れたところに置いて、イルカたちの仕事が終わるのを待ちました。しばらくして、クジラが、イルカや鳥たちがいっぱい集まって漁をしている場から離れて、僕たちのヨットのすぐ横を泳いで行きました。どうやら、クジラは、お腹いっぱいになったようです。そのうちに、イルカたちも満足したようで、ぼくたちのヨットの所へ、遊びにきてくれました。
それで、ぼくたちもウエットスーツを着て、シュノーケルをつけて、ヨットから垂らしたロープに捕まりながら、イルカの泳ぐスピードと一緒に、海の中でしばらくイルカと時間を過ごしました。そのうちに、イルカは遊ぶことにも満足したようで、何処かへ行ってしまいました。
まるで、夢の中にでもいるような気分だったな。
いや、夢よりも、もっと、もっと、よかった!
イルカの癒しのお話は、今まで耳にしたことあったけど、本当に癒されたよ。いまでも、あの光景を思い浮かべると、心が澄んだ気分で、小さな子供と同じ、純粋な笑顔が出てくるのです。
はぁ、イルカさん、ありがとう。
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