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painting on 2020/09/16
【photo & memory from 2020/09/13】
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* #15 *
* 旅をする木 *
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たいふ
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台風後
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ひとつの倒木が、ひとつの景色に大きな物語を与えていた。
本にあった、ひとつの言葉を思い出していた。
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『 それは、早春のある日、一羽のイスカがトウヒの木に止まり、浪費家のこの鳥がついばみを落としてしまうある幸運なトウヒの種子の物語である。さまざまな偶然をへて川沿いの森に根づいたトウヒの種子は、いつしか一本の大木に成長する。長い歳月の中で、川の侵食は少しづつ森を削ってゆき、やがてその木が川岸に立つ時代がやって来る。ある春の雪解けの洪水にさらわれたトウヒの大木は、ユーコン川を旅し、ついにはベーリング海へと運ばれてゆく。そして北極海流は、アラスカ内陸部の森で生まれたトウヒの木を遠い北のツンドラの世界でひとつのランドマークとなり、一匹のキツネがテリトリーの匂いをつける場所となった。冬のある日、キツネの足跡を追っていた一人のエスキモーはそこにワナを仕掛けるのだ・・・。一本のトウヒの木の果てしない旅は、原野の家の薪ストーブの中で終わるのだが、燃え尽きた大気の中から生まれ変わったトウヒの新たな旅も始まってゆく。』
= 旅をする木(文春文庫):星野道夫 =