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梅雨入りの雨

 半月ほどの巡業から、四万十の自宅に帰ってきて三日目の朝。日記に執筆と、日々の習慣をようやく再開。今晩には、また絵を描き出したい。

 今回は絵の展がメインということで、絵の搬送もあり車出張となった。そのついでにお料理道具も運べるからと、出先でTABI食堂も開いた。6年半ぶりのTABI食堂オープンだった。そう、ご飯営業をしなくなってからは、車で出かけなくなった。音楽演奏が出張のメインとなり、楽器だけだったら電車やバス、飛行機で担いで移動できるし、移動時間の読書の時間が非日常のとても贅沢な時間であるので、好んで公共交通機関での出張移動をしていた。なので、車巡業は久しぶりのことだった。

 いままでだったら、これだけギュッと集中した出張、長距離運転の日々から帰ってきたら、大荷物の片付けと、体調の回復に一週間はかかって、それからようやく、日々のルーティンに徐々に戻っていけるといった感じだったので、三日目にルーティーンのHOMEに戻って来れたのは、自分でも驚き。いままでのように、出張の疲れから体調がぐったりと落ち込まなくなっている。

 この体の変化は、ここ最近取り組んでいるロルフィングの効果が大きい気がしている。体気良い方に変化すれば、自ずと気持ちも前向きに変化していく。この歳になってくるとより一層感じるのだが、健康がなによりもの資本だから、体に投資してあげてよかった。結果、投資した以上のものを得ている。そして、毎週のロルフィングセッションのために山から街へと出向いているので、その都度にイベントもやらせてもらっていて、これまた人前であれやこれややるよいリハビリというか、ウォーミングアップになっている。TABI食堂のプレ再オープンもした。そのおかげで、小浜での展も、絵に料理に音楽にお話会と盛り沢山に存分に力を発揮してできた。松山でも、小浜でも、安心する場所と人たちのおかげで、伸び伸びと表現るすことができている。そのことに、深く感謝したい。これ以上なく、与えてもらっている。

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 さて、帰ってきてからのこの2日間は、巡業の荷物の片付けと、草刈り、畑の手入れに時間を費やした。場所が整わないと、気持ち整わず、日々のルーティーンの制作に入れない。兎にも角にも、場所を整えることが第一なのである。場所が整えば、自分も整い、そしたら自ずと健やかなものが湧いてくる、その流れ。埋もれた草の下には、柔らかな葉の野菜たちがたくさん育ってくれていた。自分の畑の野菜を食べると、やはり調子よい。そして、なにより、なんだか、嬉しい。姪っ子甥っ子を愛でるような、嬉しさに似たような。

 この、ルーテインのHOMEに戻り、さらに日々で前に進んでいきたいという気持ちは、今回の巡業が次の制作意欲に繋がっていることも大きいだろう。展示で絵を見もらった感触がとてもよかったので、もっとよい絵に額を作りたいし、作れる感触でいっぱいであるのだ。絵の展をやれて本当によかった。展を企画して、背中を押してくれた、くみちゃんに大感謝である。絵を人に見せることで、嬉しくない経験をしたことから、展示をしようという気持ちには至っていなかったのだが、くみちゃんが「たくやくんの絵をもっと人に見てもらいたいよ。人目に出さないと、もったいないよ」と励まし、実現するための絶大なるサポートをしてくれた。さらには、「TABI食堂の復活も、一緒にいけるんちゃう!みんな、絶対に喜ぶで!」と、上手に煽てられて、こちらも上手に調子に乗って、やりたいこと全部できた。尻叩きでは辛いけど、褒め叩きなら嬉しくて、みんなを喜ばせたくて、やってしまう私。

 旅の本の執筆も、巡業最後の松山で、本の編集とデザインを協力してくれている藍ちゃんとの打ち合わせをした。藍ちゃんが、「現在の進行具合こんな感じです。全体の想定ページ数の何%まで、もう書けています。本のレイアウトデザインも、試しにやってみました」などと、どんどんと形にして行ってくれるので、実現化の具体性の感触を感じて、さらなるやる気に繋がっている。本は自費出版でもいいから、この秋までには形にする予定だ。これまた、投資してみよう。投資することのワクワクを感じている。ワクワクする流れを止めないように、誰かを待たずに、自分から流れる先を作ってみよう。

 久々の日記を、こうして書けて嬉しい。巡業後のあらたな思いも、再確認の日記となった。

Photo:『日々の光展』展示風景より