2/1(水)

Day 15



朝は一番に、もう一度温泉に入る。

いやしかし、台湾は温泉がたくさんあって最高である。
しかも、こんな自然そのままのロケーションの温泉なんて、日本ではなかなか行ったことがない。日本では、何かしら施設になっているものね。

朝風呂に満足し、出発。


結局、昨晩から誰も来ず、昨日からずっと一人でこの最高のロケーションで貸切だった。

こんなすっぽり自然の中にテントを張れるのは、安心する。

人の気配が近い場所だとあるところだと、いろいろと心配になってしまう。

パッキングを終えて出発。

今日は、アクに教えてもらった、もう一つの秘境温泉を目指す。

さて、バックパックを担ぎ、歩き出す。昨日の長い時間かけて降ってきた急な道を、今度は登っていくのかと思うと、少し気が滅入る。

山道から、ようやく畑のあるエリアまで戻ってきた。

キャベツがなかなかの傾斜エリアにも植えられているの様子に、びっくりとする。国が違えば、『空間』への認識も異なるのだろうと、歩きながら畑を興味深く観察する。

やっと、アスファルトの車道まで戻ったところで、小さな売店を見つける。アスパラガスジュースなるものを見つけて、興味本位に飲んでみる。ちゃんと、アスパラの味がする。しかし、アスパラガスをジュースにしようとは思ったことはなかった。国が違えば、野菜の捉え方も変わってくる。異国の文化を知るのはたのしいね。自分の既成概念の外へ連れて行ってくれ、世界を広げてくれる。

まだ、朝も早い時間帯だ。車がまったくに通らない。ヒッチハイクを当てにしていだが、これはとりあえず歩き出した方がうよさそうだ。

辺りは、ひたすらにキャベツ畑ばかり。峠を見下ろした下の方では、地元の農家さんたちのトラックが見えるが、なかなかこっちの上の方を走る車はいない。もう、しょうがないから、ヒッチハイクを期待しながらなんとなく歩くのではなく、本気で歩くことにした。もっと下の方の交差点まで到達できれば、違う方向からの車も捕まえられるだろう。

予測よりも随分と歩いてから、ようやく一台の車に載せてもらえた。もう、結構体力を使ってしまった気分。予定では、ヒッチハイクでパッと次の温泉の入り口まで移動して、半日かけて山の中を歩く予定だったのに。

車には、若い男性2人が乗っていた。街からの農業委員会の視察役だとか、なんとかでここらへんに数日滞在しているそうだ。運転手は、下の村まで行くというので、そこまで載せて行ってもらうことに。数日前に一泊した村だ。ぼくの目的地は、まだまだその先だけど、どうせ村に夜のでお昼ご飯を済ませて、食料も補給しておこうと思った。なので、「どこかお昼ご飯を食べれるところ知っていますか」と聞くと、親切に村の食堂を車で回ってくれた。しかし、どこもやっていなくて、「よし、じゃあ、もう一つ下のお店があるところまで送って行ってあげるよ」と言って、ありがたいことにぼくが行きたい方向までさらに行ってくれた。

道中、「今日は、ここの温泉に行きたいと思っているのですが、しっていますか」と伝えたら、「そこに一人で行くの?絶対やめた方がいいよ、とても厳しい山道で、事故のニュースを聞くよ」と止められる。思わぬ返答に、「え、そうなの!」と怖気付く、、、。

切り立った山肌に車道を降っていくとに、ポカンとおおきなホテルがある広場までやってきた。そのホテルの向かいにFamilymartと食堂があった。「ここならお昼ご飯食べられるよ」と教えてもらう。別れ際にも、「くれぐれも、気をつけてね」と、念を押される。

食堂にて昼ごはん。この数日間、山登りで簡素のものしか食べていなかったから、お店で食べられるご飯はなんとおいしかったことよ。お腹をいっぱいに満たし、隣のFamilymartで、数日分の食料の補充。温泉で一泊か二泊できたらよいと思う。

そして、またヒッチハイク。

この道は、とにかく交通量が少ないもので、なかなか車が見つからない。

これから、もう一山超えて歩くというのに、もう午後も良い時間になってしまっている。先程の忠告も思い出し、「大丈夫だろうか」と心配になってくる。

1時間以上待ったところで、ようやく一台のセダンが泊まってくれ。車の中を覗くと、体の大きな原住民の顔をした若い夫婦に、小さな赤ちゃんの家族だった。「下まで行きたいのですけど」と伝えると。「どうぞ」と言って、後部座席に乗せてもらった。

席について、車が走り出したところで改めて「温泉への山の入り口まで行きたい」と伝えると、若い奥さんがびっくりした顔をして、「あなた一人で行くのは、絶対にやめてください。しかも、もう時間遅いですよ」と若い奥さんに言われる。続いて旦那さんも、「ぼくは猟師ををやっているからその道のことをよく知っているけど、やめておいたほうがいいよ」と言っている。奥さんの方は、なんだか泣きそうにまでなっている(気のせい!?)。すると、旦那さんが「もう一つ、簡単にいける温泉がありますから、そちらを教えますからそちらに行ったらどうですか。そこも、河原にある温泉ですよ。このままそこまで送ってあげますから」と提案してくれる。このやりとりは、i-phoneのgoogle翻訳で行っていたのだが、なかなかスムーズに会話できないことに奥さんが、「そうだ、日本語を話せる友達がいるから、彼女にちゃんと説明してもらうわ」と言って、電話口に日本語がとても上手な女性が出て、ぼくたちの会話を日本語と中国語双方に通訳してくれた。

ぼくは、予定していた秘境温泉に行きたい気持ちが強かったので、しばし悩む。もう、そのつもりで食料も買い込んだしな、、、。しかし、時間がもう遅いのと、体がだいぶ疲れているのは確かだ。そして、会う人会う人の心配そうな顔。「もう、ここは、大人になって諦めよう。嘉明湖の登山と、昨晩の温泉で十分に満足したではないか」と自分を説得することにした。そして、「わかりました。ぜひ、もう一つの温泉を教えてください、と伝えてもらえますか」と電話口の女性に伝えて、その方がまた中国語で彼らに伝えてくれる。彼女からの言葉を聞き、二人はとても安心した顔をしていた。

「ここです」と言って、道沿いに車を止めて、山の斜面の下の河原を指さしている。「ここに降り口があるからね」と言って、地元との人しか知らないような道を教えてくれる。「河原に降りたら、川上に向かって歩いていったところに温泉がありますよ」と旦那さんが丁寧に何回も教えてくれる。別れ際に奥さんが、「困ったらいつでも連絡してね」といってLINEを教えてくれた。

車が走り去っていくのを見届け、河原へ降りる。そして、言われた通りに、温泉を探したけど、どこにも無い、、、。水溜りはあれど、お湯らしきものはどこにもない。「もしかして冷泉のこと」と思いながら匂いも嗅いでみるけどよくわからず、、、。なので、諦めて、テント設営をすることにした。ちょっと、がっかり、、、。

寝床ができるとホッとした。思いがけずの予定変更で、夕方前に寝床が出来上がってしまった。「よいしょ」と腰を下ろして気を抜くと、体が相当に疲れているのを実感。気持ちよそよ風が吹いていたので、テントを全開にして風にあたらいながら、一眠りす。

暗くなってきた頃に、目が覚める。

瞑想をしたあとに、薪を集めて、火を焚いて、簡単な食事をつくる。

カリンバを弾きだしたら、またすぐに眠くなる。

疲労の回復に、とにかく睡眠が必要なようだ。

床に着く。