道路にぽつんと一つだけある街灯。
ここは街じゃないけれど、足下を照らす人もぜんぜんとおらないけれど、ぽつんとあるあの街灯。
あの曲がり角から漏れてくる蛍光灯の灯りがなければ、もっと星空が奇麗にみえるのにな。
あのメキシコ人のように、「こんな灯りはいらないわ」といって石を投げてしまおうかしら。
満月の光、
あの街灯も包み込んでしまうぐらいに明るくてね。
つんと背筋を伸ばして、畑の野菜やハーブ達は月の放射線を吸い込んでいる。
いや、それとも、月が吸い込んでいるのかな?
ぼろぼろだった網戸を張り替えてからというもの、縁側で寝るのがお気に入り。
涼しいものね。
ごろんとなったら、星が見えるからね。
ミントの様に一晩中、直射月光浴してみたくてね。
まあるい月の明るさに、何度も目を覚ます。
何度も目を覚まして、暗くなってきた頃、
朝が近い。