愛車オムスビートを西へ東へ走らせ、巡業の日々。

高知の海がなつかしく思う、この頃・・・。

 

 

ある朝のこと。

テントにまっすぐ射し込む朝日。

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今朝の波はいかがなものかと、胸躍らせビーチへ走る。

そこに、棒で浜辺をつっつくおじさん。

手招きをして、「来てごらん」と呼んでいる。

 

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「これは、孵化した後のウミガメの卵の殻だよ」と、大きな穴に上半身をつっこみながら教えてくれた。

おじさんは、ウミガメのようなつぶらな瞳を輝かせ、ウミガメのことをしばし語ってくれた。

 

「では、また!」 カメおじさんは、てくてくと歩いて行った。

ぼくは、ウミガメのあかちゃんのことを思い浮かべながら、足下の破れた白い卵の殻と、波打ち際の間を視線を何度も歩かせていた。それは、満月、もしくは月明かりの明るい夜のことだったのだろうか・・・。

 

「おーい」、また向こうで手招きする、カメおじさん。

キャンプ道具一式を積んだ大きなバックパックを、亀の甲らを背負っている気分でおじさんの方へ向かう。

すると、砂にまみれたウミガメの赤ちゃん数匹。

 

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「穴から自分で出れなくて、砂に埋まったままの子が、たまにいるんだよ」と、おじさんが説明してくれた。そうか、だからおじさんは、穴をつっついて、様子をうかがっていたのか。

「大丈夫、しばらく酸素を吸っていたら元気になるよ。」

ウミガメのあかちゃんは、穴から出してもらったときは弱々しく身じろぎしていたが、おじさんの言葉通りに、しばしすると波打ち際へと向かって、力強くまっすぐに歩き出した。

「ウミガメの赤ちゃんはね、明るい方向へ向かって歩く習性があるんだよ、だから海を目指す。お母さんウミガメは暗い方を目指す習性がある、だから山を目指す」

 

 

「よし、よし、がんばれ、がんばれ」とのかけ声むなしく、赤ちゃんカメは何度も何度も波打ち際で打ち返される。(おお、「波に打ち返される」とは、まさにこのことだと、感心。。。)

 

 

「このまま、カメが自分で海に還っていくのを待っていても、鳥や蟹に見つかって襲われるのも心配だから、手をかしてあげなよ」と、おじさんは、短パン一丁のぼくのほうを見ながらにっこりとしている。

両手にウミガメの赤ちゃんをつまみ上げ、波打ち際をじゃぶじゃぶと沖に向かって進み、「元気でねー」と、ウミガメの赤ちゃんを海に放り投げた。

「これからね、ウミガメは、黒潮にのって太平洋をメキシコまで旅して、ぐるっとまわって、またここへ産卵をしにもどってくるんだよ」、おじさんの視線は海のずっと向こうを見ていた。

 

カメの恩返し、竜宮城は何処?

 

夏の思い出でした。。。

 

ウミガメについてもっと知りたい方 コチラ 

 

 

 

TABI巡業

 9/15~20『 TABIチョコ堂@えみおわす展 』in Tokyo

9/22~28『 Raw Foodの夕べ と 料理をしない料理教室』in Tokyo