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2020/08/23 Sun.
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#7
『風にそよぐ、ヘチマの花よ』
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そよそよと、ヘチマの黄色い花が、気持ち良さそうに、風にそよいでいる。
空の蒼と、川の碧に、色を添えている。
朝日に花開き、太陽昇れば、閉じていく。
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すくすくと育つヘチマとは対照的に、お隣の四葉キュウリの葉っぱは、すっかりとウリ葉虫に食べ尽くされた。
ゴーヤの葉っぱは、全くの無傷である。
きっとゴーヤは葉っぱも苦くて、虫たちにとっても食べづらいのだろう。
ということは、逆に、キュウリの葉がこれだけ人気なのは、キュウリの葉っぱは美味しいのかも?
今度、食べて、試してみようか!?
と思ったものの、いざ畑に行ってみたら、すっかり食べ尽くされ、もう売れ残りがありませんでした・・・。
また、来年の楽しみに・・・。
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ヘチマさんはいいよねー。
朝日が昇ってきたら、花開いてさ、
太陽が高く昇って暑くなってきたらさ、もう花閉じて、昼前には閉店ですもの。
よい働き方ですよねー。
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ヘチマは答えました。
君の考える、仕事という概念が、どんなものなのか。
きっと、そこに、見えている世界の階層の違いがあるのだろう。
わたしにとって、花を開いている時間は、こちらの世界に休息をしに来ているのですよ。
朝日を充分に浴びた後に、花を瞑ってからは、意識を深く潜り込ませ、
またもう一つの世界で、生命を育む営みをしているのですよ。
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そう言って、ヘチマさんは、ぼくに、花のお尻が大きく太って成長した、翡翠色の実を差し出してれました。
ヘチマの実は、ぼくの、夏の大好物です。
昨晩見たときよりも、大きなそのヘチマの実に、ヘチマさんの言葉を理解しました。