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台湾縦断歩行
Day 3

昨晩は、とても、とても、風が強かった。

風が少しは避けられるかと思って、海岸線の栗林の中にテントを張ったが全く意味なかった。テントが引きちぎられるぐらいに強風で、テントが壊れないか心配だった。木々の間の方が風を遮ってくれるだろうと設営場所を選んだのだが、これだけの強風に、逆に、木が倒れてきてしまわないかと心配なぐらいだった。

もう随分も前のことだが、アメリカを旅していた時に、ハリケーンでテントがひき裂かれた経験がある。テント暮らしの旅人の身としては、家が倒壊したのと同じで、その後の旅がとてもとても困った。ここでテントがなくなってしまうのは、それは困る。なので、優先順位を決めて、もう今晩の安眠は諦め、テントの安全を優先しよう。テントのポールを倒して高さをなくして風を受けないようにして、ビバークのような状態で寝た。まるでゴミ袋に包まって寝てるような気持ちだったけど、逆に、テントが引きちぎられてしまう心配がなくなり、気づいたら眠りに落ちていた。こんな状況下でも寝れる自分も、なかなかにすごいものだなと思ったものだ。

とは言っても、眠りは浅い。時計を見ると朝4時前。もうこの時間なら、風の中でうずくまって耐え続けるよりも歩いてしまおうと、薄暗い中でパッキングして、歩き始めた。

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海岸線沿いの道は、お昼過ぎまでずっと風が強くて、なかなかに歩くのが大変な1日となった。

ようやく風の強いエリアを抜けて、海を一望できる広場を見つけて、そこでお昼ご飯とした。

お昼ご飯には、バックパックの中でスプラウツさせておいた、緑豆とアワ(かな? それともヒエかな?)を食べた。スプラウツさせる方法は簡単で、先日の晩に寝る時に豆や雑穀を浸水させといて、翌朝、ネットのバックに豆を移して、木に引っ掛けて水切りをしている間にパッキングをする。そして、パッキングが済んだら、豆が入ったネットも水がこぼれないようにZipLocckやクッキングギアーの中に入れて、バックパックにしまう。バックパックの中が、ちょうど良い暗室と保温性でスプラウトにばっちりの環境というわけだ。豆の種類によっては、昼過ぎにはもう食べられる状態になっている。食べる前にもう一度水でリンスして、塩やスパイスや、ドライフルーツと一緒に食べるのがお気に入り。

このバックパックでスプラウツさせる手法は、ニュージーランドをトランピング(トレッキング)して回っていた時に見つけたものだ。あの頃は、Raw Foodにとても拘っていたので、山でもどこでもフレッシュなものが食べたかった。そのため、ファーマーズマーケットを見つけては、ローカルの果物をたくさんバックパックに入れて歩いていたけど、まあ、果物は重いし、すぐ痛む。他にも、千切りして塩揉みしたキャベツをZipLockの中で発酵させてザワークラウトも、バックパックの中で作っていた。発酵ものなので、保存が効く。しかし、その発酵液をバックパックの中でぶちまけて悲惨な思いも度々した。

と、いろいろと旅のRawFoodを研究実践したなかで、豆をスプラウトさせるのはとても優秀だ。乾物で量を取らないが、水で浸水させると量が何倍にも増えるので携帯性が抜群だ。一袋で何日分もの食料になる。そして、火での調理もいらないため燃料の節約にもなる。

しかし、正直なところ、スプラウトはそんなに美味しくないかも、、、。なので、飽きる。そして、とても強いので食べすぎると逆に気持ち悪くなる、、、、。気をつけよう。今回も、浸水後、思った以上に豆の量が増えて、食べきれなくて困ったが、がんばって食べて、結果気持ち悪くなった・汗、、、。

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その後も海岸線沿いを歩き続ける。

暗くなった頃に、一昨日、電車を降りてバスに乗って南を目指した街までたどり着く。バスを乗り換えただけの場所だが、一度来て知っている景色にまた戻ってくると、なんだか安心する。一昨日、バス待ちの間に気になっていた、バス停の向かいの『自助餐』のご飯屋さんで夕飯をとる。『自助餐』とあるごはん屋さんは、作り置きをセルフサービスで取るスタイルなので、自分で好きな料理をいっぱい選べてうれしい。野菜料理だけを選んだらヴェジタリアンにもできる。おかげで、久しぶりにいろいろな種類の野菜をいっぱい食べれた!

今日は、街中での1日の終わりとなったので、宿を探して泊まることにした。さすがに街中で野宿をしたくない。GoogleMapで街の外れに宿を見つける。真っ暗の中の最後のその歩きがとてもしんどかった、、、。部屋はドミトリーを取ったが、宿泊客が少なく、ドミトリー部屋を自分1人でシングルルームのように使わせてくれたのでラッキーだった。

そうそう、今日もスケッチをした。歩きながら1日1枚スケッチをしているが、なかなか旅をしながら持って歩ける自分に合った画材を見つけられない。いつも家で描いているパステル画みたいに、気持ちよくかけない。旅での自分に合った画材を見つけたいものだ。

歌も1日一度は、旅先で会った人に歌っている。歌を歌うと喜ばれるので、歌を習って良かったなぁと思う。初めての人でもすぐに繋がれて、馬頭琴を背負って歩いている甲斐があるなあと思う。

いやー、今日はよく歩いたぞ!