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台湾縦断歩行

Day 4

1度も目が覚めずに、10時間も寝た。いつもは野宿の寝床から、宿のベッドで安心して寝れたのだろう。そして、先日の晩、嵐の中ほとんど寝てなかったのもありよっぽどつかれていたのだろう。すっきりとした目覚めに、体力がバッチリ回復した気分。

せっかく宿を取ったので、朝は宿でゆっくりと過ごした。荷物もいちど全部広げて、整理をした。やっぱり歩いていると少しでも荷物を軽くしたくなるもので、使っていないものをもう一度見直し手放すことにした。すっかりと「どうやったら、より軽く、よりシンプルにできるか」という、マインドになっている。今までは、旅先新しいものを見つけて手にするのが好きだったけど、いまは意識のベクトルが違う方向にあるようだ。

ここで思い切って、アルコールストーブのアルコールを手放すことにした。自炊ようにストーブを持ち歩いてみたものの、やっぱり自分は生食を好むので、なくても良いかなと思って決断する。朝のコーヒーは、自分で淹れて飲みたいところだったが。しかし、荷物の軽量化のことを思うと、生食で過ごせるのはそれもなかなかの役に立つ能力だと気づく。それに、台湾はどこでもおいしいご飯がお店や屋台で食べられるので、自炊するよりも地元の料理が気になってしまう。そして、自炊の材料を買って揃えるよりも、外食した方が安いことにも気づいた。

朝ご飯は、宿で仲良くなった17歳の台湾の高校生のロベルトと一緒にご飯を食べた。宿に泊まると他の旅人と仲良くなれるから楽しい。ロベルトは、高校の冬休みを利用して台湾1周自転車旅をしていると言っていた。もうすぐ高校卒業して、大学に行って政治学を勉強して、人々を助けられることをしたいと言っていた。自分も人のため、地球のために役に立ちたいとは思うけれども、口に出していうことに躊躇ってしまうのだか、今の若い世代の環境活動といい、彼らはそれを当たり前のことに思って、さらに行動しているのに新しい感覚を感じる。普段なかなかこういう若い人の話を聞く機会がないので、これも、旅でいろいろな人に出会えるからの貴重な機会だなぁと思う。

せっかく、台湾人のロベルトと一緒にご飯屋さんに来たので、ロベルトと一緒にメニュー表を見ながら、どんなご飯なのかをいろいろと教えてもらった。おかげで、自分1人でも好きに食べたいものを注文できるようになった気分。

朝ごはんも食べ終わり、ロベルトが先に自転車で出発して、僕も反対方向に歩き始めた。ロベルトは別れ際に「僕が住んでいる台南に来たら、連絡してくださいね」と言っていた。

今日の道のりを調べると、先週の山登りの山小屋で仲良くなった山小屋の管理人のアクの地元に今晩たどり着きそうだ。アクに連絡してみると、『ちょうど家に帰ってきているよ。是非、今晩、泊まりにきてね』と返事をくれた。この返事を見て、俄然やる気になって歩く。誰かが待ってくれていると思うと、頑張れる。

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今日の道は、パイナップル、パパイヤ、マンゴーなどなど、単一農業の大きな畑の農地を抜けて歩いて、まるで屏風画の中を歩いているような気分だった。

暗くなった頃に、やっとアクとの待ち合わせ場所にたどり着き、アクに再会。やっぱり顔馴染みの人に会えるのは嬉しい。

晩御飯は、アクが食堂に連れて行ってくれて、地元のおいしいご飯をいろいろ紹介してくれて、たっぷり食べた。楽しい夜だった。