12月4日 雨

 

[Inspiration]

 

雨の朝風呂に、本を読む。

久方ぶりの小説だ。

ことばの偉大な担い手によって紡がれたことばたちは、わたしのこころを解きほどいていく。

やさしくほどかれていくこころ、その隙間から眩いひかりが射し出ずる。

わたしは、そのひかりの根源に触れてみたい衝動にかられ、その根源たるものへと手をのばす。

しかし、どうしても届かぬ後一歩を感じたとき、わたしは、わたしの内からのことばたちに触れてみる必要があることを知り、水面から立ち上がり、風呂場を後にした。

わたしは、たまらずに文字をつづった。

 

読書の滋養からはじまった、冬の雨の一日。

 

DSC02195